2009年1月14日水曜日

有価証券の評価による財務戦略

今回は、教科書を離れて書きました。

企業の保有する株式が市場で急落し、株価が回復見込みを立てられない状況下、保有有価証券(株式、債券)も減損処理を余儀なくされ損益上、甚大な影響が懸念されている。
1月13日、東海理化は、45億円の有価証券評価損の計上もあり決算予想修正を発表した。
今回は、有価証券の評価損の処理の方法による財務戦略上の問題点についてまとめた。

先ず、有価証券特に株式の保有形態による評価を見る

子会社・関連会社株式についての評価
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この種類の株式は、親会社がこれらの会社を支配する目的で保有しているため、市場価格があっても換金しないことを前提に考える。
事業資産を時価評価しないのと同様、これらの株式も時価評価の対象とならない。子会社・関連会社株式は取得原価で評価される。

その他有価証券についての評価
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売買目的の株式と子会社・関連会社株式では評価基準が異なる。
しかし、いずれにも該当せず事業の目的により換金が制約されている株式がある。これを持ち合い株式という。持ち合い株式は、売却まで時価変動による評価差額を損益計算書に反映させることはなく、純資産の部に、「その他有価証券評価差額金」として計上する。この処理を純資産直入と呼ぶ。

次に保有目的とは別に、評価の方法についてみる

子会社・関連会社株式については、時価が著しく下落した時は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理する。
1)子会社株式については子会社株式評価損で処理する。
2)関連会社株式については投資有価証券評価損(特別損失)で処理する。
3)持ち合い株式などその他有価証券については、評価差額は当期の損失として投資有価証券評価損(特別損失)で処理する。

東海理化の決算予想修正は、関連会社株式および持ち合い株の減損処理(強制評価減)を適用したため特別損失が発生したと考えられる。

ところで、会計処理により財務戦略上重要な自己資本利益率に影響を及ぼすことがあるため、その処理方法についてまとめた。

帳簿価格と時価との差額は洗替方式により、1)全部純資産直入法と2)部分純資産直入法により処理される。この2つの処理のどちらかをとるかで、財務上、自己資本利益率に影響を及ぼすことになる。
以下、詳しく見る。

損益計算書について
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全部純資産直入法では評価損が計上されないのに対し部分純資産直入法では評価損が計上される。 よって売上高利益率などの比率は部分純資産直入法のほうが低くなる。

貸借対照表について
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全部純資産直入法では評価・換算差額に反映、部分純資産直入法の場合は純利益の減少を通して株主資本に反映される違いがある。
しかし、純資産全体の金額は同一となるためどちらの方法をとろうが自己資本比率には違いが生じない。

東海理化の場合、部分純資産直入法によりその他有価証券の評価損を計上しているようだ。
その結果特別損失が損益計算書に反映され、自己資本当期利益率の減少を招く事になっている。

昨今、有価証券評価損など持合株の評価により本業以外のところで業績評価が生じることに対して投資家の目は厳しくなってきている。関連会社株式の評価損については問題ないにしても、持合については、慎重に対応する必要がありそうだ。

アキンド

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