今回は、教科書を離れて書きました。
企業の保有する株式が市場で急落し、株価が回復見込みを立てられない状況下、保有有価証券(株式、債券)も減損処理を余儀なくされ損益上、甚大な影響が懸念されている。
1月13日、東海理化は、45億円の有価証券評価損の計上もあり決算予想修正を発表した。
今回は、有価証券の評価損の処理の方法による財務戦略上の問題点についてまとめた。
先ず、有価証券特に株式の保有形態による評価を見る
子会社・関連会社株式についての評価
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この種類の株式は、親会社がこれらの会社を支配する目的で保有しているため、市場価格があっても換金しないことを前提に考える。
事業資産を時価評価しないのと同様、これらの株式も時価評価の対象とならない。子会社・関連会社株式は取得原価で評価される。
その他有価証券についての評価
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売買目的の株式と子会社・関連会社株式では評価基準が異なる。
しかし、いずれにも該当せず事業の目的により換金が制約されている株式がある。これを持ち合い株式という。持ち合い株式は、売却まで時価変動による評価差額を損益計算書に反映させることはなく、純資産の部に、「その他有価証券評価差額金」として計上する。この処理を純資産直入と呼ぶ。
次に保有目的とは別に、評価の方法についてみる
子会社・関連会社株式については、時価が著しく下落した時は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理する。
1)子会社株式については子会社株式評価損で処理する。
2)関連会社株式については投資有価証券評価損(特別損失)で処理する。
3)持ち合い株式などその他有価証券については、評価差額は当期の損失として投資有価証券評価損(特別損失)で処理する。
東海理化の決算予想修正は、関連会社株式および持ち合い株の減損処理(強制評価減)を適用したため特別損失が発生したと考えられる。
ところで、会計処理により財務戦略上重要な自己資本利益率に影響を及ぼすことがあるため、その処理方法についてまとめた。
帳簿価格と時価との差額は洗替方式により、1)全部純資産直入法と2)部分純資産直入法により処理される。この2つの処理のどちらかをとるかで、財務上、自己資本利益率に影響を及ぼすことになる。
以下、詳しく見る。
損益計算書について
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全部純資産直入法では評価損が計上されないのに対し部分純資産直入法では評価損が計上される。 よって売上高利益率などの比率は部分純資産直入法のほうが低くなる。
貸借対照表について
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全部純資産直入法では評価・換算差額に反映、部分純資産直入法の場合は純利益の減少を通して株主資本に反映される違いがある。
しかし、純資産全体の金額は同一となるためどちらの方法をとろうが自己資本比率には違いが生じない。
東海理化の場合、部分純資産直入法によりその他有価証券の評価損を計上しているようだ。
その結果特別損失が損益計算書に反映され、自己資本当期利益率の減少を招く事になっている。
昨今、有価証券評価損など持合株の評価により本業以外のところで業績評価が生じることに対して投資家の目は厳しくなってきている。関連会社株式の評価損については問題ないにしても、持合については、慎重に対応する必要がありそうだ。
アキンド
2009年1月14日水曜日
2008年11月26日水曜日
財務計画策定の目的
財務計画策定の目的は、大きく分けると4つに分類される。
1、相互作用…企業内の様々な営業活動のための投資提案と企業が利用できる資金調達の選択肢が明確になる。
2、オプション…上記に絡むことだが、計画を策定する中で様々な投資や資金調達のオプションをある程度時間を掛けて検討していくことができる。
3、実行可能性…財務計画策定は、様々な計画の中から株主の富の最大化を目的としたものを選ぶことができる。
4、予想外の事態の回避…財務計画策定の中で、将来、特定の出来事が発生した場合に、何が起こる可能性が高いのかを認識できる。その結果、予想外の事態を回避することができるかもしれない。
この中で特に重要なのが投資と資金調達の相互作用を把握していくことにあると思われる。
財務計画策定プロセスで重要な二つの側面
財務計画策定プロセスにおいて考慮すべき側面として、時間的な枠組みと計画の集計レベルが挙げられる。
時間的な枠組みとは、財務計画の適用される期間であり、将来が短期と長期からなると考えることが有効となる。実務上、最初に長期財務計画(2年から5年程度)の策定に焦点を当て、次に12ヶ月の財務計画を作成する方法が一般的である。
集計レベルとは、どのような単位で財務計画を作成しそれを積み上げていくかということである。実質的には、各営業単位におけるより小規模の投資計画が集約され、ひとつのプロジェクトとして取り扱われる。
時間的な枠組みとは、財務計画の適用される期間であり、将来が短期と長期からなると考えることが有効となる。実務上、最初に長期財務計画(2年から5年程度)の策定に焦点を当て、次に12ヶ月の財務計画を作成する方法が一般的である。
集計レベルとは、どのような単位で財務計画を作成しそれを積み上げていくかということである。実質的には、各営業単位におけるより小規模の投資計画が集約され、ひとつのプロジェクトとして取り扱われる。
2008年11月7日金曜日
信用管理
企業が商品やサービスを販売する場合、①現金を即座に受け取るか②支払までしばらく待つか(つまり顧客に信用供与を行うこと)の2つの形態をもつことができる。
企業の売掛金の投資は信用販売の金額と平均回収期間の両方に左右される。たとえば、ある企業の1日当たりの信用販売が1000ドルで平均回収期間が30日だとすると売掛金は3万ドルになる。
そこで、企業の信用対策には大きくいって3つのものが挙げられると思う。
1つ目に販売条件。
商品やサービスを信用販売する際に企業は一定の条件を決めなければならない。例えば、与信期間、現金割引、そして信用手段の種類等があげられる。
2つ目に信用分析。
信用を与える際に企業は支払う顧客と支払わない顧客の識別を試みる。たとえば、格付け機関の情報を利用したりするだろう。
3つ目に回収政策。
信用供与を行う企業は、期日が到来した現金の回収のための政策を確立しなければならない。
企業の売掛金の投資は信用販売の金額と平均回収期間の両方に左右される。たとえば、ある企業の1日当たりの信用販売が1000ドルで平均回収期間が30日だとすると売掛金は3万ドルになる。
そこで、企業の信用対策には大きくいって3つのものが挙げられると思う。
1つ目に販売条件。
商品やサービスを信用販売する際に企業は一定の条件を決めなければならない。例えば、与信期間、現金割引、そして信用手段の種類等があげられる。
2つ目に信用分析。
信用を与える際に企業は支払う顧客と支払わない顧客の識別を試みる。たとえば、格付け機関の情報を利用したりするだろう。
3つ目に回収政策。
信用供与を行う企業は、期日が到来した現金の回収のための政策を確立しなければならない。
2008年10月28日火曜日
株価と配当
株価は将来の配当を現在価値に割り引いた値になる。これを配当割引モデル(Dividend Discount Model)という。DDMは株価評価を行ううえで基本的な考え方である。
割引率は、株主がその企業の株価を1期間だけ保有するに十分な利益率である。市場が配当一定成長のDDMに基づいて期待形成していると仮定する。
r=E(D)/P + g
割引率は、配当利回りと配当成長率により表現できる。
配当割引モデルによる株価評価のケース
P:株価 e: 予想 D:配当 r:割引率 g:成長率 t:期間
1)ゼロ成長モデル
(ア) 配当が一定のモデル
① P = eD / r
2) 一定成長モデル
(ア) 配当が一定の成長率で増加する
① P = eD / (r -g)
3) ターミナルバリューを考慮したモデル(T時点=ターミナルバリューの現在価値を求める)
(ア) 株式価値は現在からT期までの期待配当を現在価値に割引、とれにT時点のターミナルバリューの現在価値を加算したもの
① P = ∑(t=1)*eD / {(1/r)*(1/t)}+TV /{ (1+r)*(1/t)}
② TV = ∑(t=1,∞)*eD(Dt+j)/ (1+r)*(1/j)
4) サステイナブル成長モデル
(ア) 一定の条件のもとで成長するモデル
① P = eD / (r – g)
② g(成長率)=留保率(1-配当性向)*期待ROE
③ 前提:配当性向、ROE、負債比率を一定、株主資本は内部留保による
当社の場合、配当ゼロ成長モデルもありえるが、割引率によって株価が変わる。一定成長モデルかサステイナブル成長モデルでの試算が適切であると考えるが、現状少し無理があるように思う。
割引率は、株主がその企業の株価を1期間だけ保有するに十分な利益率である。市場が配当一定成長のDDMに基づいて期待形成していると仮定する。
r=E(D)/P + g
割引率は、配当利回りと配当成長率により表現できる。
配当割引モデルによる株価評価のケース
P:株価 e: 予想 D:配当 r:割引率 g:成長率 t:期間
1)ゼロ成長モデル
(ア) 配当が一定のモデル
① P = eD / r
2) 一定成長モデル
(ア) 配当が一定の成長率で増加する
① P = eD / (r -g)
3) ターミナルバリューを考慮したモデル(T時点=ターミナルバリューの現在価値を求める)
(ア) 株式価値は現在からT期までの期待配当を現在価値に割引、とれにT時点のターミナルバリューの現在価値を加算したもの
① P = ∑(t=1)*eD / {(1/r)*(1/t)}+TV /{ (1+r)*(1/t)}
② TV = ∑(t=1,∞)*eD(Dt+j)/ (1+r)*(1/j)
4) サステイナブル成長モデル
(ア) 一定の条件のもとで成長するモデル
① P = eD / (r – g)
② g(成長率)=留保率(1-配当性向)*期待ROE
③ 前提:配当性向、ROE、負債比率を一定、株主資本は内部留保による
当社の場合、配当ゼロ成長モデルもありえるが、割引率によって株価が変わる。一定成長モデルかサステイナブル成長モデルでの試算が適切であると考えるが、現状少し無理があるように思う。
2008年10月14日火曜日
ROEと株価
自己資本利益率(ROE)と株価の関係について簡易式で説明する。
R=E/A
R:自己資本利益率、
E:一株あたり利益(EPS)
A:一株あたり純資産(BPS)
P:株価
EPSをBPSで割るとROEが計算できる。
次に右辺にPER(株価収益率)を乗じると、
(E/A)×(P/E)=P/A
これは株価純資産倍率(PBR)となる。
自己資本利益率×PER=PBRとなる
現在のT社の株価に当てはめてみると、
現在株価 1100円
株式数 81百万株
公表予想当期利益 150億 2009年末予想
BPS2007年3月末 2160円
EPS予想 184円
PBR 1100円÷2160円=0.5倍
PER 1100円÷184円=5.97倍
予想ROE=0.5÷6=8.3%
マーケットは今期ROEを 8.3% と想定した株価を1100円と見ているといえる。
R=E/A
R:自己資本利益率、
E:一株あたり利益(EPS)
A:一株あたり純資産(BPS)
P:株価
EPSをBPSで割るとROEが計算できる。
次に右辺にPER(株価収益率)を乗じると、
(E/A)×(P/E)=P/A
これは株価純資産倍率(PBR)となる。
自己資本利益率×PER=PBRとなる
現在のT社の株価に当てはめてみると、
現在株価 1100円
株式数 81百万株
公表予想当期利益 150億 2009年末予想
BPS2007年3月末 2160円
EPS予想 184円
PBR 1100円÷2160円=0.5倍
PER 1100円÷184円=5.97倍
予想ROE=0.5÷6=8.3%
マーケットは今期ROEを 8.3% と想定した株価を1100円と見ているといえる。
2008年10月13日月曜日
第1部 「財務計画の策定と成長」
財務計画の策定により企業における変革の基本方針が確立される。これらの基本方針には、①企業の財務目標の特定、②財務目標と現状の財務状態との違いに関 する分析、③財務目標を達成するために必要な行動指針、が含まれなければならない。財務計画策定の基本的要素は、①企業が利益をあげるために選択する投資 機会、②企業が用いることにした負債の量、③企業が必要且つ適切だと考える株主に払う現金の額、からなる。これらは、企業が成長と収益性のために決定しな ければならない財務政策である。
財務計画の策定とは何か。
財務計画の策定は、財務目標に到達するための方法を案出する。これは、①時間的な枠組みと②集計のレベル、の二つの側面がある。
① 時間的な枠組みとは
財務計画は、将来に何がなされるべきかを明示したものである。ほとんどの意思決定が、実施よりもはるか以前の段階でなされることを必要とする。
② 集計のレベルとは
財 務計画は、企業の各投資案件に関するキャピタル・バジェッティング分析からまとめあげられる。実質的には、各営業単位における、より小規模の投資計画が集 約され、一つの大きなプロジェクトとして取り扱われる。このプロセスが「集計(aggregation)」と呼ばれる。
実際の財務計画の 策定にあたっては、常に一連の代替的な仮説(シナリオ)をたてることが必要となる。たとえば、最悪のケース、正常のケース、最良のケースの3つの仮説であ る。これら各々のシナリオに沿った財務計画策定は、多くの時間を費やす可能性が高いため、策定にあたっては、次の4点がポイントとなろう。
ⅰ. 相互作用:投資提案と資金調達の選択肢との関連を明確にする
ⅱ. オプション:どのような資金調達方法が最適か判断する(工場閉鎖や新製品の販売についてのオプションを評価する)
ⅲ. 実行可能性:株主の富の最大化という全社的な企業目標に適合しなければならない
ⅳ. 予想外の事態の回避:財務計画の策定によって、将来、特定の出来事が発生した場合に、何が起こる可能性が高いのか認識すべきである。財務計画策定の目的の一つは、予想外の事態を回避することである。
おいもさん
財務計画の策定とは何か。
財務計画の策定は、財務目標に到達するための方法を案出する。これは、①時間的な枠組みと②集計のレベル、の二つの側面がある。
① 時間的な枠組みとは
財務計画は、将来に何がなされるべきかを明示したものである。ほとんどの意思決定が、実施よりもはるか以前の段階でなされることを必要とする。
② 集計のレベルとは
財 務計画は、企業の各投資案件に関するキャピタル・バジェッティング分析からまとめあげられる。実質的には、各営業単位における、より小規模の投資計画が集 約され、一つの大きなプロジェクトとして取り扱われる。このプロセスが「集計(aggregation)」と呼ばれる。
実際の財務計画の 策定にあたっては、常に一連の代替的な仮説(シナリオ)をたてることが必要となる。たとえば、最悪のケース、正常のケース、最良のケースの3つの仮説であ る。これら各々のシナリオに沿った財務計画策定は、多くの時間を費やす可能性が高いため、策定にあたっては、次の4点がポイントとなろう。
ⅰ. 相互作用:投資提案と資金調達の選択肢との関連を明確にする
ⅱ. オプション:どのような資金調達方法が最適か判断する(工場閉鎖や新製品の販売についてのオプションを評価する)
ⅲ. 実行可能性:株主の富の最大化という全社的な企業目標に適合しなければならない
ⅳ. 予想外の事態の回避:財務計画の策定によって、将来、特定の出来事が発生した場合に、何が起こる可能性が高いのか認識すべきである。財務計画策定の目的の一つは、予想外の事態を回避することである。
おいもさん
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