2008年10月13日月曜日

第1部 「貸借対照表と損益計算書」

ご存知の方も多いと思うが、貸借対照表は、決められたある特定の時点の企業の会計価値を表すものであり、損益計算書は、二つの時点間で企業の行動を会計的に記録したものと言える。

貸借対照表を見るときに注意しておくべき点として以下の三つを上げることができる。
それは、1.会計的流動性、2.負債と株主資本の違い、3.価値と原価の違いについてである。

1.会計的流動性とは、資産を現金化できる容易さと速さを指し、通常貸借対照表には流動性の高い順に資産が計上されている。
流動性が高い資産を多く保有すると、企業が財務的困難を回避する確立は高まるが、流動性が高い資産ほど収益率が低い傾向にあるため、どの程度のバランスで資産を形成するかは企業を運営していく上での大きなポイントとなる。

2. 負債と株主資本の違いについてであるが、負債は規定された期間内に現金の支払いを必要とする企業の債務であり株主資本は、資産と負債の差額と定義すること ができる。貸借対照表の根底にある定義として貸借対照表等式(資産=負債+株主資本)があるが、負債を左辺に移動し、資産-負債=株主資本ということも言 える。実際、企業が債務不履行に陥った場合、当企業の負債を保有する債権者に、キャッシュフローに対する最初の権利が与えられ、株主に戻ってくるものは債 権者が権利を行使した後の残高のみである。

3.価値と原価の違いであるが、貸借対照表には多くの場合資産が原価で計上されるため、実際には企業の価値を表しているとは言いがたい面もある。
経営者は、掛かった費用(原価)よりも多くの価値を企業に生み出すことが求められており、そういった意味では原価<価値となるべきである。
しかし、企業の価値を貸借対照表上に公正妥当な数値として計上することは難しく、よい経営、独占的資産、好ましい経済状況等、企業の本当の資源の多くが表現れていない。

損益計算書を見るときに注意しておくべき点として以下の三つを上げることができる。
それは、1.一般に公正妥当と認められた会計原則、2.非現金項目、3.時間と費用である。

1. 一般に公正妥当と認められた会計原則では、収益は商品のサービスの交換が生じると、損益計算書上に認識される。一部の資産価値が2倍になっても交換されな いと損益計算書には計上されないため、事業で損失が発生した場合に価値の上がった資産を売却することにより利益操作が行えてしまうといことになる。

2.非現金項目とは、キャッシュフローは損益計算書には現れないということである。
非現金項目の費用として最重要なものに減価償却費がある。設備投資をした場合、設備を購入した時点または、契約で決められた時点毎に現金を支払うことになるが、減価償却費はまったく別の概念で会計上認められた方法で計上することになる。
したがって、キャッシュフローと減価償却費の計上はまったく別のものになってしまう。
そのため、黒字倒産と言った現象も発生することになる。

3. 時間と費用であるが、損益計算書を見るうえで短期と長期を意識することも時には必要となる。短期において意思決定する場合、意識決定により変動させること が可能な変動費と、固定された契約のため変動できない費用である固定費に分けて考えることは重要である。逆に長期の場合、すべての費用が変動費となる。

同心

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